2026/09/16 16:04
秋の葉を、
ひとつ置く。
子どもの頃、
家の近くに、
大きな公園がありました。
秋になると、
その公園は、
落ち葉でいっぱいになりました。
黄色や、赤や、茶色。
一枚一枚、
形も色も違う葉を、
拾い集めては眺めていたのを、
今もよく覚えています。
大人になった今も、
秋がくるたびに、
あの公園の匂いや、
足もとで鳴る葉の音を、
ふと思い出します。
今年の作品は、
そんな記憶から生まれました。
庭先の緑が、
少しずつ色を変えていく頃。
黄色が混ざり、
やがて赤や茶へ。
そんな季節の移ろいを、
今年は器にしてみました。
秋の野に咲く花を、
豆皿に。
色づいてゆく葉を、
一枚の器に。
TSUNEが今年つくったのは、
そんな「秋のかけら」のような
いくつかの作品です。
すっと伸びた茎の先に、
静かに開く花。
あの公園の片隅にも、
夏の終わりになると、
ひっそりと桔梗が咲いていました。
誰も見ていないところで、
そっと開くあの花が、
昔から好きでした。
五枚の花びらをかたどり、
小さな豆皿にしました。
花霞 | 淡い青灰色
朝の空気に、桔梗の色が
ほんのり溶けるようなやわらかさです。
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光を受けると、花びらに
そっと表情が生まれます
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宵桔梗 | 深い青灰色・マット
日が暮れはじめる頃の、
落ち着いた気配をまとっています。
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小さなお菓子をひとつ。
薬味を添えて、箸休めに。
何も盛らずに、
小さな景色として置いても。
公園の隅にあった蔦も、
秋になると少しずつ、
色を変えていったのを覚えています。
葉の形も、葉脈も、
そのまま写し取って
一枚の葉を器に仕立てました。
紅葉 | 赤・黄・緑が重なり合う色
赤、黄、緑が重なり合う、
色づきゆく秋の景色です。
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お菓子をひとつ、果物を少し。
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器としてだけでなく、
棚や玄関に置いて、
一枚の葉を飾るように
楽しむこともできます。
拾い集めた葉の中で、
いちばん心に残っているのは、
真っ赤に色づいた一枚でした。
一枚の紅葉をかたちどり、
葉脈まで丁寧に表現しました。
秋の深まりを思わせる、
ふかい赤です。
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光を含んだような、
やわらかな黄色です。
栗をのせたり、
小さなものを置いたり。
うさぎの置物の足元に添えて、
小さな器に見立てても。
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季節のものを、
ひとつ置く。
それだけで、
いつもの場所に
秋の気配が生まれます。
大きく飾らなくても、
そこに秋がある。
あの日、公園で拾った葉のように、
今年の秋も、
ひとつ、そっと置いてみてください。

