2026/01/30 11:25

てん箸。
日々の食卓に、やさしい手触りを
田中恒子の視点から
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てん箸(22.5cm)黒
てん箸(22.5cm)朱
てん箸(22.5cm)白

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朝の光が、まだやわらかい時間。
湯気の立つごはんと、お味噌汁。
そんな何気ない食卓で、
ふと、手に取るお箸の感触が気になることがあります。

手触りが冷たすぎないか。
重すぎないか。
今日の気分に、しっくりくるか。

てん箸は、
そんな日常の小さな感覚に寄り添うために、
生まれました。

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花びらがぽんと、舞い落ちたような、てん(点)。

この箸は、TSUNEで25年以上つくり続けている定番です。

理由は、とても単純で。
「これが、毎日使って心地よい」と
暮らしの中で、何度も確かめてきたからです。

現在も、
三代目の職人が、30年以上、
ひとりで削り続けています。

木には鉄木という、頑丈な木を。
一本ずつ、手で削り、手で塗る。
その工程は、決して効率的ではありません。

けれど、
指に触れたときのやわらかさやあたたかさ。
箸先の自然な細さは、
人の手でなければ生まれないものだと感じています。

食べる、という行為が、
少し丁寧に、うれしくなる。
そんな感覚を、大切にしています。

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色は、
黒、朱、白、灰色、黄、青、緑、ピンク。

今日はどの色にしようか、
誰にどの色を使ってもらおうか。
そんなふうに選ぶ時間も、
暮らしの楽しみのひとつ。

家族それぞれに、
自然と「自分の色」が決まって、家族の色となり、彩られる。
日常の風景のひとつとなっていく。
その様子を見るのも、好きな時間です。

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特別な日のためではなく、
毎日の食卓のために。

使うほどに、
手になじみ、
心も少しやわらぐ。

てん箸は、
そんな日常のそばに、
静かにあり続けたいと思っています。